稚児の謎
E 遊ばする稚児の傍ら目は大蛇の遊びしを見るやも
禄所のなかではこれが一番悩んだ問題だった。
本物の大蛇がいるわけでもなく、これをなんと捕らえるかということだ。
あまりに意味が広いのでできるだけ絞って考えるしか方法が無い。
まず現代語に約すとするとひっかかるのが「傍ら目」
「傍ら」と「目」を別々にするか、それとも「傍ら目」とするかだ。
辞書によれば、傍ら目=横顔。横から見た姿。側目(そばめ)となっている。
文章としては主語の部分だが「傍ら目」とすると
「遊ばせている子供の横顔は大蛇が遊んでいるのをみるかも」
つまり「顔(姿)は〜見るかも」となるので文章的におかしい。
従って横顔(横から見た姿)と考えるのは妥当ではない。
「目」を「女」と読み替えすることはできる。
どちらかというと「目は〜見るやも」という表現は重複語だから、「目」→「女」の方が自然
「遊ぶ」については通常使う「遊ぶ」と「舞う」と両方が考えられる。
結果的に「遊ばせている子供のかたわらで女(目)は大蛇が遊ぶのを見るかもしれない」
と普通に意味を取るしかない。
次に「大蛇」という言葉
大蛇を龍に置き換えてもいいかどうかということだ。大蛇と龍は読み替えはできない。
これまで龍という言葉が意識的に使われていて今回はわざわざ大蛇となっているということは明らかに龍ではいけない気がする。
ただ「女が大蛇をみるかも」ということになると、龍と大蛇を見間違えるという可能性も否定できない。
たとえば手水舎の龍であれば一瞬大蛇に見えるかもしれない。龍のしめ縄も大蛇に見えるかもしれない。
でも現実に何も無いところで大蛇と龍と見間違えるかということになるとどうだろう。
たとえば道祖の龍という有名な伝説があるが、道祖渓に行った人が道祖の龍の伝説を知っていて稚児が遊んでいるのを見たとする。その姿を見てこの稚児が龍かもしれないと思うかもしれないが大蛇だとは間違っても思わない。
従って現実に見えるものなら龍と大蛇はどちらでもいいが、伝説のように見えないものについては大蛇じゃないといけないという様に考えた。
1) 遊具案
子供が遊ぶ遊具のなかで大蛇に似て見えるものとしては、経ヶ丸のロング滑り台かリフレッシュ公園のわんぱく広場にある輪くぐりの遊具だろう。
しかし経ヶ丸については今年はお休みというヒントが出たのでリフレッシュ公園に決定。
しかし1/30000の地図にわんぱく広場の場所が銘記されていないのが気になる。
2) 伝説案
大蛇の伝説としては井原町の猪原長者の話があるが場所が特定できない。
蛇女房の話を豊玉姫の話と考えると長澤神社だが少し話が遠い。
荒神さまの使いが蛇だから荒神社で遊具のあるところもしくは小学校・幼稚園などが近くにあるところも考えられる。東江原町の荒神社に遊具と龍王の碑があったがここはNETでは推測ができない。
北条氏の家紋の由来が蛇の鱗から来ているという話が一番説得力がある。早雲が稚児だとすれば高越城。
したがって伝説のせいで大蛇が見えるのであれば高越城の確率が高いのだが、それでも押しが弱い気がする。
やはり伝説案では龍にして永祥寺というのがあまりにピッタリで捨てがたいか
3) 龍の注連縄案
龍の注連縄については現実的にはどう見ても龍ではなく大蛇に見えるのでこの注連縄と子供がいそうなところをセットにして考えると、候補としては甲山八幡宮(西江原小学校が見える)と一宮大明神(高屋小学校の正面)の二つがある。ここで注連縄の形を見ると甲山八幡宮のものが鳥居に一直線になって付いているのに対して一宮大明神のものは鳥居に巻きついていていかにも遊んでいるように見える。
龍の注連縄案であれば一宮大明神。
4) ヤマタノオロチ案
ヤマタノオロチは大蛇なのでこの神楽が行われるところということになる。子供神楽が行われる一番の代表地は神楽道場だが、1/30000の地図に神楽道場が書かれていない。
神楽殿はいたるところにあり道場以外はどこで神楽を行うか特定できないので没。
5) モニュメント案
高屋駅前に中国地方の子守唄の母親が稚児を抱いている銅像があるが、稚児が寝ているので没。蛇を連想させるものも無い。
上出部公園に龍らしきモニュメントがあるが、はっきり蛇または龍とわかるものでは無いので没。
6) 祭りの行列案
祭りの行列が歩いていくのが大蛇に見えるというのもありえる。
しかし、鬼祭りは行列では無く、稚児行列は場所が特定できないので没
7) 井原線案
電車が蛇にみえるかとも思ったが、井原線は1両もしくは2両なので没
というわけで
本命 ◎ リフレッシュ公園(わんぱく広場) - 遊具案 対抗 ○ 一宮大明神 - 注連縄案 中穴 ▲ 高越城・(永祥寺) - 伝説案
ということにした