マウスの選び方

      

家でも会社でも長いことパソコンを触ってると、少しでも快適にパソを触ろうという気になる。
そんななかでマウスはキーボードの次に一番動手に触れてそしてストレスを与えやすい部分。
「なんでそんなにはじめはマウスを持ってるんだ」というご意見から、僕のマウス選びの経験をご紹介。

ずいぶん長いあいだ僕はパソコンに接してきて、使ったパソコンの機種も数知れず。
そんな中マウスについては一貫してサンワサプライのコンフォートタイプのマウスを使ってきた。
ところが3年前パソコンを購入する(今使用してるパソコンの前の機種)にあたりボール式から光学式に代えようとした。その際に違ったマウス(エレコムM-WUP2CRSV
を試したところからマウス遍歴が始まった。この二つはいまでも使いやすいマウスだと思っているが、いろいろ試してるうちに去年なんか家と会社用で5個も買ってしまった。

快適にマウスを使用する第一歩は、まず少し動かしただけでポインタがたくさん動くということだ。
マウスに慣れてくるとみんなだんだんそうなってくると思う。
画面の下から上までポインタを動かす際にみなさんはそのままマウスを机から放さずに一度で動かしているだろうか。いったんマウスを宙に浮かせて動かすとなるとそれだけで手間がかかりそれが何度も続くとなるとだんだん面倒になってくるだろう。
プラウザの戻るボタンや閉じるボタン、エクセルでの編集ボタンなど上端をクリックすることが多いために画面の下から上にポインタを動かす頻度が多いのではないだろうか。
しかしポインタの動きをいくら早くしてもその際にポインタの位置を合わせにくいとなるとそれが逆にストレスになってくる。
だから1モーションでポインタが画面の下から上まで簡単に動かせるだけの最低のスピードにまずパソコンを設定することになる。

まずマウス選びのポイントは以下のようになる
  1.基本仕様(USB/PS2、OSの対応など)
  2.付加仕様(光学式/ボール式、ホイール有無、ワイヤレス、ボタン数)
  3.サイズ(縦×横×高さ)
  4.デザイン
ここでは1の基本仕様は当然なので省略。2のホイル有も今では当然だから省略する。

1)光学式とボール式

昔はボール式の方が精度がでるとかあったかもしれないが、今は迷わず光学式を選ぶ。なんといってもボールを掃除する手間は大変だ。
ただし光学式はガラスなど透明なものの上では使用できないし机の上に透明なシートがある場合もNG。さらに机の模様でポインタの動きが滑らかじゃなくなることもあるので注意が必要。
マウスパッドを使用しないといけないと思っていた方がいい。
それと光学式は電力の付加が大きいので後付けのテンキーなどからタコ足でUSB接続するとうまく動かないことがあった。そんな場合はパソコン本体のUSB端子に近いところからテンキーとマウスを別々に分配するようにするとうまく行くことが多い。
USBを分配する際は使用電力などの仕様を注意してほしい。

2)ワイヤレス

僕は今はワイヤレスは使っていない。
線がごちゃごちゃで邪魔になる人にとっては確かに重宝するものだと思うが、ワイヤレスの欠点もある。
マウスの中に電池が入っているということは電池が無くなったら動かなくなるということだ。だから予備の電池を持っていないと不安になる。
また、電池によりマウス自体が重いということがある。僕はそのせいで現在ワイヤレスを使っていない。出来れば単5電池以下のものを選んだほうがいいと思う。またマウス自体が重いためにマウスパッドは布のものは避けたほうがいいと思う。動かす際の重さが助長されるからだ。
昔のワイヤレスは特に精度が悪かった。ポインタの動きを早くしているとガタガタとポインタが動くためにうまくウィンドの枠をヒットできなかったりすることがあった。最近のものは改善されているように感じる。
有線のものはワイヤの硬さに注意。ワイヤが硬いとそれが引っかかって動かす邪魔をすることがあるのでワイヤの柔らかいもの細いものを選びたい。

3)ボタンの数

ホイール付きマウス(3ボタン)は一般的になったが、4ボタン5ボタン6ボタンなどのものもある。
僕もいまは5ボタンを使用しているが、ネットサーフィンを頻繁にする人にとってはプラウザの戻るボタンがマウスについてるのはすごく楽だ。
使用頻度の高いボタンをほぼ自由にセットできるので、その人の用途に応じて検討したらいいと思う。
でも一般的には4ボタン以上はあまり必要ないものだと思う。値段が高くなるのは当然としても、現在は種類が少ないためにマウスを選べる範囲が狭くなる。

僕の場合マウスの使用頻度が高いので現在は5ボタンを使用しているが、残念ながら僕の条件に合うマウスは今のところ2種類しか見つけられていない。

4)サイズ(縦)

マウスの縦のサイズは重要だ。
特に店頭で持った感触と机で実際に動かしてみる感触が違うからだ。
普通の人はマウスを親指と薬指(小指)で持っていると思う。前後については人差し指がホイルの上にくるところで持っていると思う。
そしてポジションだが、ものの本によると「肘を机につけて手首は浮かせてマウス動かせ」と書いてある。そのためには肘は机の上になければならないのでマウスの位置は机のある程度奥側にないといけない。そんな環境でパソコンを触ってる人が何人いるというんだろうか。ありえない話だと僕は思う。普通は右手の手首が机に付いた状態でマウスを動かしていると思うがどうだろう。手首が机についていることによって微妙なポインタの動かし方が出来る。そしてなにより手首と肘が浮いた状態でマウスを動かしていると極度に疲れる。

というわけで右手首が机に付いた状態で冒頭に書いたようにポインタを画面の下から上へ1動作で動かせるようなマウスのサイズが必要となるのだが、マウスの縦が長いとどうしてもこれがうまく動かせない。僕の場合は動かす距離にして約15mm弱だがマウスの縦サイズが105mm以上のものはこれが出来なくなる。なお、僕の手の大きさは男の手としては小さい方で大柄な女性の手くらいなサイズじゃないかと思う。ピアノやキーボードではドから1オクターブ上のミが同時に弾けないくらいの大きさだから、たいして女性の手の大きさと変わらないんじゃないかと思う。
お勧めの縦のサイズは93〜105mmといったところだ

5)サイズ(横)

マウスの横のサイズは持ったときの感覚だけど、だいたい広い方が楽である。
マウスの幅が狭いために親指が人差し指の下の方に行くようでは持っているだけで疲れてくる。
できたらマウスの上に手を乗せたような形であることが望ましいのである程度の幅が必要だ。
僕の感触だとマウスの幅は58〜65mm程度がベスト。
ただし、最近よく見かける親指の位置が凹んでいる形状のマウスは格好はいいが、そのぶん手の幅が狭くなるので意外と疲れやすい。

6)サイズ(高さ)

高さはあくまで補佐的なもので高さが高くなるとその分縦横とも小さめに考えた方がよくなる
手前の方が極端に高いマウスは比較的使いにくい。
また、高さの高いマウスはモバイルとして使用する際、カバンに入れにくいという問題点がある。
逆に低いと持ちにくいが、特に小型のものでない限り気にならないと思う

7)デザイン他

やはり見た目のきれいなマウスは使っていても気持ちがいいから、デザインは重要だ。
ただしもうひとつ注意点としてあげると、横から見てマウス左右側面の形状が凹んでいるものは避けたほうがいいと思う。親指がつかんでいる位置よりも底面の幅の方が広い状態だと持ち上げる時しっかりつかまないといけなくなる。
マウスを持ち上げやすいのは逆に横から見て丸いもの(底面が少し狭いもの)の方だ。
エルゴノミクス形状のものも試した。これは天面が斜めになっていて人差し指の方が高さが高くなる。
使っては見たが特に使いやすいというほどでもない。
逆にマウス底面が広いタイプの方が多いようで持ち上げにくいものも多い。
大手メーカー製のエルゴノミクス形状の物をよく見かけるが、こう持ちなさいと強制されているだけではなくこう使えば楽になるのですよと操作スタイルまで強要されているような気がしてくる。
しかし実際にそうなのかどうか?僕は大いに疑問を持っている。

あとボタンの操作感だが、たまにクリックが重いものがある。店頭でカチカチという音を確かめてから購入したほうがいい。このクリックの固さストロークはメーカーによっても少し差がある。

8)ポイント

★ 1動作でポインタが画面の端から端に行ける様にパソコンをセットする
★ マウスのサイズは縦(93〜105mm)×横(58〜65mm)のものを選ぶと良い
★ 親指の位置が凹んでいるものは注意
★ ワイヤレスは重さに気をつけろ

★ 買う前に店頭でボタンをチェックしろ

以上がはじめ流のマウス選び

参考までに今僕が使っているマウスを言うと、自宅はエレコムM-F5USV(写真左)会社はサンワサプライMA-5UPOS(写真右)で、ともに5ボタン。現在とても重宝している。



2種類の5ボタンマウスの比較

いま僕が使っている2種類の5ボタンマウスだが、上記の条件をクリアしているマウスで5ボタンのものはおそらく今のところこの2つしかない。ロジクール製やマイクロソフト製などで5ボタンのものはあるのだが、全てサイズが大きくなってしまい僕には使いにくい。
そこでこの二つのマウスの比較をしてみようと思う。


   エレコムM-F5USV       サンワサプライMA-5UPOS

5ボタンマウスとなると2つ通常のものよりボタンが多いわけだが、仮にそのボタンの名前をワイヤ側を第4ボタン・手前側を第5ボタンと呼ぶことにする。
まず決定的にこの2つのマウスはボタンの配置が異なる。
特にBIFFマウス(サンワ)はおそらく今販売されているマウスの中でもこれだけだろうとも思えるのだが、第5ボタンの上に親指が来るような位置関係なのだ。
それに対しエレコムはオーソドックスに親指の上側にボタンが配置されており、通常使用時に第5ボタンに触れることはない。
そのボタンの配置の違いによって操作性がまったく異なってくるので、それによって使用するコマンド自体も違ったものとなってくる。
BIFFマウスの場合は第5ボタン(第4ボタン)を押しながらホイルを回す等の操作が出来るのに対し、エレコムのものは不可能だ。
逆に通常使用時には第5ボタンの上からマウスをホールドすることになるために、その凸凹に違和感を感じたり、強く握れないといったストレスの要因が発生してくる。
これがこの2つのマウスの一番決定的な違いだ。
まあどちらかというとBIFFマウスのほうが特殊なマウスだといえると思う。

1)コマンドの種類

さて、この2つのボタンを何の為に使用するかというのが重要になるのだが、これはいずれも多くのコマンドの中から選ぶことが出来るようになっている。
エレコムM-F5USV サンワサプライMA-5UPOS
第4(5)ボタン キーボードおよびマウスで
出来る全ての動作
easyjump
なし
メイン
右ボタン
真中ボタン
ダブルクリック
easyjump
ホームページ
パン
アプリケーションを実行する
拡大鏡
ズーム
alt
control
shift
arrow Down(↓)
arrow Up(↑)
arrow left(←)
arrow right(→)
切り取り「Ctl+X」
切り取り「Shift+Del」
コピー「Ctl+C」
コピー「Ctl+Ins」
Enter(復帰)キー
エスケープ(Esc)キー
エクスプローラー
Page Down(ページダウン)キー
Page Up(ページアップ)キー
貼り付け「Ctl+P」
貼り付け「Shift+Ins」
実行
スタート
アプリケーションの切替え
Tab(タブ)キー
元に戻す「Ctl+Bkspc」
元に戻す「Ctl+Z」
検索ウインドウ
ウインドウヘルプ
esyjumpコマンド
スタートに移動
垂直スクロールバーに移動
水平スクロールバーに移動
閉じる(アプリケーションの終了)
オートパンニング
コントロールパネル(マウス)
ヘルプ
設定可(一箇所)
  プラウザを開く
  お気に入りの追加
  お気に入りの整理
  ブックマークの追加
  ブックマークの編集
  次へ
  戻る
  アプリケーションを実行する
第4(5)ボタン+ホイル なし なし
アプリケーションスイッチ
ドキュメントスイッチ
左/右スクロール
戻るページ/進むページ
ズンイン/アウト

このなかのよく使うものから第5ボタン・第4ボタンと選んで設定することになる。
サンワサプライのeasyjumpというのは面白い機能で、これに設定しておきクリックすると円を8分割したコマンドwindowのようなものがポインタのあった位置に現れ、その中にある8つのボタンが使用できるというものだ。いうなれば一回クリックを余計に行えば8つのコマンドを使用できるものである。
僕の場合は「戻る」「閉じる」を多様するので、この中からこれを選んで設定した。

エレコムM-F5USV サンワサプライMA-5UPOS
第4(+)ボタン 閉じる(ALT+F4) 貼り付け「Ctl+P」
第5(−)ボタン 戻る(Office互換) easyjump スタートに移動
垂直スクロールバーに移動
水平スクロールバーに移動
閉じる(アプリケーションの終了)
オートパンニング
コントロールパネル(マウス)
ヘルプ
戻る
第4ボタン+ホイル 戻るページ/進むページ
第5ボタン+ホイル 左/右スクロール

NET閲覧時IEで使用する「戻る」だが、「Ctl+Bkspc」も「Ctl+Z」もいずれも役に立たないというのが問題で、「Alt+←」があるのならいいのだが、サンワの場合「戻る」「閉じる」をボタンに使用する際はeasyjumpを利用するしか方法がない。この点はドライバの改良が望まれる。
僕の場合本来なら一番よく使う「戻る」が1クリックで使用可能なのが望ましいので、この点においてはエレコムの方が利用しやすい。
次にサンワの「ボタン+ホイル」だが、よく使う第5ボタンを「左/右スクロール」にした。エクセルなどを使用する際に便利かと思ったからなのだが、実際にやってみると少しボタンが重いのでついつい左手を使用して「Shift+ホイル」で左右スクロールをさせてしまう。
普段左手はキーボード上にあるので、他のコマンドをセットした方が現実的かもしれない。
というわけで、まだ使いこなせてないのでなんともいえないのだが、今のところはエレコムの方が1クリックで「戻る」「閉じる」が出来る分だけエレコムの方に軍配が上がるイメージだ。
しかしそれより何よりこの二つのマウスのボタンの設定が同じに出来ないのがつらい。
家と会社で使い勝手が違うとなるとどうも迷ってしまう。
実際に5ボタンマウスを使用する際は、2つ以上のパソコンを使用する際同じメーカーに統一しなければあまり意味がないというのが実感だ。

2)ボタンの配置とクリック感

ボタンの位置については前述のように「ボタン+ホイル」というのを使用するかどうか(使用できるかどうか)というところで決定的に差がある。
もしもこれを使用するのであればサンワのボタンの位置でなければいけないし、そうじゃない場合はエレコムの位置の方が普段は邪魔にならないと思う。
エレコムの場合は二つのボタンがくっついているがこれは便利がいいようで使い勝手が悪い。どっちのボタンをクリックしているるのか手で触ってはっきりしないからだ。まさかいちいち目で確認するわけでもない。
サンワの場合は普段親指が第5ボタンの上にあるわけだが、第4ボタンは親指が遠くなって非常に押しづらい。だからこの二つのボタンはもう少し手前にあったほうがいい。
いずれのメーカーのマウスも改良する余地があると感じた。
クリック感は小さいボタンなので通常の左クリックや右クリックと比べて感覚が劣るのはやむを得ないだろうが、エレコムのボタンはクリックしたときの音がしょぼすぎる。「ポコン!」という音なのだ。ただクリックの力加減はこの程度で良好。
サンワのボタンは「カチッ!」という音がするのは好感が持てるが、逆にクリックがやや重い気がする。これは結構こたえる。
一長一短といったところだろうか。

3)グリップ感

どちらもサイズは似たようなものであるが、手に持った感触はエレコムの方が好きだ。
手のひらから指先にかけてまんべんなくマウスに触れるからで、楽な気がする。
サンワのほうは手前の方が膨らんでいるために指の腹がマウスに触れない状態になる。
また、親指が第5ボタンの上になることもあり、長時間の操作はおそらくエレコムの方がらくだと思う。
大きな差があるわけではないが、エレコムがややリードというところか。

4)その他

線の太さはサンワの方が細くて柔らかいので動かしてもストレスがなく優れている。
気になるのは色のバリエーションがあまりないことで、特にサンワはシルバー(ピンク)の1種類しかないので会社で使うのには少し恥ずかしいところがある。エレコムはブルー系しかない。
色は増やしてもらえることが理想だ。
もうひとつ、マウスの反応だが、エレコムは(青色LEDということが起因しているのだと思う)マウスパッド以外のところで使用すると反応しないことがあることがわかった。マウスパッドは必ず使用することをお勧めするのだが、どうしてもマウスパッドは使用しないという人にはサンワの方が向いている。

5)総合

ここまで書いたように少しずつではあるが、エレコムの方が勝っている部分が多く、5ボタンマウスの中からひとつを選ぶというのであれば、手の大きな人でない限り僕はエレコムのM-F5USVを皆さんに勧めたい。
快適なパソコンライフを送れること間違いなしだ。


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