2015/08/12
マイナスイオンと言わないで!
今日テレビを見ていたら、滝のロケで
「マイナスイオンいっぱいで気持ちがいい」 などとまた言っていた。
実は今年、テレビの滝のロケのときに、自分もキャスターの中島尚樹さんから同じことを言われたことがある。
いまだに<マイナスイオン>という言葉は世の中にはびこっているのだ。
いまさらだけど
<マイナスイオン>という言葉は科学用語ではない
テレビ番組と家電メーカーが言い出した造語なのだ。
まるでそれが科学であるように聞こえるのがどうしても許せない
ほとんどの人はおそらくプラスイオンが化学的な陽イオン、マイナスイオンが化学的な陰イオンだと思っている。
ところが水場にその陰イオンなんて無い。
良く調べてみたらそれはすぐにわかること。
業者がマイナスイオンと言っているものは化学的な陰イオンのことではないのだ。
効果があると言っている一部の人たちはマイナスイオンを「負の大気イオン」だと説明する
仮に百歩譲って、マイナスイオンが静電除去ドライヤーから出るような「負の大気イオン」だと仮定して、もし水の衝撃で本当に負の大気イオンが発生したとしても、それはすぐにアースされて0.1秒もせずに消えてなくなる。
仮に残っていたとしても滝の周りの空気にあるのは極々微量であるので、まずそれが影響を与えるものかどうか疑問。
さらにさらにそれが気持ちが良いとか身体に良いとかいうのは全く立証されていない話だ。
本来空想のものが人間を気持ちよくしてくれると言っているわけだから、全てがこじつけ。
要するに宗教のような世界なのだ。
飛躍して考えて、仮に人が(プラスに)帯電しているとするならば、滝のそばは湿度が高いおかげで除電されやすいということにはなるだろう。その除電効果が身体に対して良いというのであれば説明自体は納得できなくもない。それならばマイナスイオンの効果は静電除去であり除電効果であるとはっきり言ったらいい。
しかし、そもそも大地はアースそのものなので、人間は指で木や大地に触れただけで除電されてしまう。
そこにわざわざ訳のわからない「マイナスイオン」なんて言葉を出す必要があるのだろうか。
本当に科学的に言うと、滝のそばが気持ちがいいのは、水飛沫の気化熱で涼しくなるからなのだ
ところが困ったことに科学者は「そういったものが存在しない」ということを証明できないでいるから、「効果がある可能性がある」ということに一足飛びになってしまう。
マイナスイオン(身体に良い影響を与える架空のもの)が存在しないということを証明する行為は、幽霊がいないことを証明するという行為と同じである。なにかわからないものを無いとはどんな天才科学者もでも証明できない。
逆に主張している人たちには、マイナスイオンというものが存在すること、実際にそれが人間に効果があることを科学的に証明してもらいたいものだ。
家電メーカーは不況のときにブームに乗っかってマイナスイオンドライヤーなるものを売り出した。
しかしそのマイナスイオンドライヤーというのは正しく言うと、髪をといたときの静電気を除去するもの
言うなれば「静電除去装置付きドライヤー」だ。
静電除去の効果をあたかもマイナスイオンと呼ばれるもののおかげだとして大ヒットした。
(しかし実際は、そこからオゾンが発生しているかもしれないので、本当に身体に良いかどうか・・・)
家電メーカーはブームに乗っかって一時期なんでもかんでもマイナスイオンをうたって売っていたけど、
バッシングに合ってからは最近はあまりマイナスイオンとは言わなくなってきた。
それで今は「プラズマクラスター」とか「ナノイー」とかいって別の説明をしている
それもはっきり言って造語なので何のことなのか私は良くわからないが・・・
世の中には「とんでも科学」なるものがある
いかにも科学のように説明するけど、理論はめちゃくちゃなやつ
本もたくさん出ている
身近な例では
「遠赤外線効果」・・・セラミックを身につけると肩こりが治る、食べ物が長持ちする
「白金作用」・・・白金の触媒作用で皮膚の酸化を抑える
「デトックス」・・・足から体内の毒を排出する
「ゲルマニウム」・・・電子が放出されて肌に張りが出る
「トルマリン」・・・マイナスイオンを発生させる・遠赤外線を発生させる
「活性水素水」・・・料理が美味しくなる・肌がすべすべになる等
他にもたくさんある
私はこの手のやつが大嫌いだ
平気な顔をしてその効果をうたって 私たちの会社に商品を売りに来るやつがこれまで何人もいた。
担当が判断できず相談に来るのだが、私がその都度追い返したのは言うまでもない。
オカルトなのだから・・・・
ただし人への効果を間接的に取り上げると、信じるものは救われるというが、人は信じることで精神的に免疫力が上がったりするから不思議な生き物だ。
ある宗教を崇拝することで癌で余命3ヶ月といわれてから何年も生きたという例を私は知っている。
マイナスイオンとはそのとんでも科学のひとつなのですよ!
まぁ信じるものは救われますが・・・
それなのに、今でもテレビで滝については「マイナスイオンいっぱい!」とかいっている
どこがいっぱいなんだ!本当に勘弁して欲しい!
せめてフィトンチッドを「森の精」というように、滝のそばで気持ち良いのはマイナスイオンのおかげなどと言わずに「水の精がいっぱいいて気持ちいい」とでも言ってくれ!
それなら誰もが誤解しないから・・・
滝でのTVロケのとき中島氏が私に向かって
「マイナスイオンいっぱいですね」 と言ったとき、私は
「ん、マイナスイオンですか?あれはオカルトです」 と言った。
そうしたら、それがしっかり放送に採用されてテレビで流れた
「オカルト」という言葉が面白かったのか・・・・
でもオカルトなんだからしかたない
いやいや・・・・宗教と言うべきだったか・・・
※ 参考
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/education/machikanezemi/pdf/report2019.pdf
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/texts/ion.pdf
http://ruby.kyoto-wu.ac.jp/~konami/Contemporary/MinusIon.html
https://gijika.com/rate/le_negative_ion.html
http://tsuyu.la.coocan.jp/column/minus.html
次の広響の定期がますます楽しみになってきた
|