広島交響楽団第28回福山定期演奏会
  高木凛々子を聴く
 
 

  



2022年2月23日、広島交響楽団第28回福山定期演奏会。
5年前からの念願だった広響と高木凛々子の共演がリーデンローズ大ホールで実ることになった。
さらに曲がブラームスのヴァイオリンコンチェルト。バルトークコンクール2位の記念公演?でハンガリー国立交響楽団と演奏され、むしろ本選のチャイコフスキーよりも素晴らし出来だったと感じた曲だ。




この日のプログラムは

  1.ブルッフ:ヴィオラとオーケストラのためのロマンス ヘ長調 作品85
     ヴィオラ:安保恵麻
  2.ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
     ヴァイオリン:高木凛々子
         〜 休憩 〜
  3.ブラームス:交響曲第3番 ヘ長調 作品90

指揮は下野竜也氏である

会場に入ってみると、今回は前回に比べてかなり客数が多いと感じた。
高木凛々子が数字を持っているといっていいか、ブラームスの3番が数字を持っているのかどちらかだろうと思う。この3番はブラームスの4曲の交響曲の中では一番ロマンティックなメロディーを持っている曲だと思う。


さて、ブルッフのヴィオラとオーケストラのためのロマンス。自分は初めて聴く曲だった。ソロの安保氏は広響のヴィオラのパートリーダーの方だが、流石にとてもいい音だしテクニックも確かでとても気持ち良く聴けた。

2曲目のヴァイオリンコンチェルトで高木凛々子が登場。
彼女は難曲でありながら相変わらずの完璧なテクニックでピッチは正確。明るい音色で全楽章を通じて北ドイツではなく南ドイツの音楽といった印象。音量は大き目なのだけどダイナミックレンジはやや少な目。広響とのかけあいやバランスもとてもスムーズ。3楽章の冒頭の部分のリズムが独特でちょっとだけ気になる。全体的にはスタンダードなお手本のような印象。でも残念ながら心が揺さぶられることがなかったというのが正直な感想だった。
ヴァイオリンコンチェルトが終わって彼女へのアンコールでバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番よりガボット」が演奏され、1部が終了となった。

それにしても自分にとってはある意味夢がかなったような心境で感慨深く聴くことが出来た。
25歳になってコンクールにはもう出ないのかもしれないが、きっと今後もソロヴァイオリニストとしての仕事は続いていくだろう。

休憩後にブラームスの交響曲第3番。
この曲を生で聴くのは多分2回目。ただ印象にはあまり残らなかったな
ということは逆に言うと、下手で気になる部分があまりなかったということなのかなとも思ったりして・・・
とても上手になったと思う広響だから、当たり前といえば当たり前なんだけどね
3楽章の血が沸き踊るような感覚が今回あまり感じられなかったのがちょっと残念だった