運動して痩せられるなんて信じない


 はじめ流ダイエット術
 ほんとにあたりまえの身体のメカニズム 


僕は滝を見に行く趣味がある。
そのほとんどの場合に山歩きが伴うことになるのだが、あるとき自分の身体が重いために山登りが辛いことに気が付いた。そのころは標準体重よりも15kg程度重かったのだ。
考えてみると15kg重いということは現実的に15kgの荷物を持って山登りしてることと同じこと。つらいのも納得できる。
それから体重を落とすことを決意。現在はその当時から12kg以上約2割のダイエットに成功している。
このときの僕のダイエットについての考え方を公開しようと思う。
 



1.どうして太るのか。食事と消費カロリーの関係

なぜ太るかというと、摂取したカロリーの方が消費したカロリーよりも大きいからだ。
小学生でも知っていることだが、その中身を知っていて欲しい。

簡単に説明すると、
血の中には糖分がある。この割合のことを血糖値というのだが、人は食事をすると血の中の糖分が増えてくる(血糖値が上がっている)。動いたりしているうちにその糖分を序々に消費していくので次の食事の前までには血糖値が低下してまた元に戻っている。
人の身体はこの血糖値がある程度の範囲内になるように自動的に調整するようになっているのだ。

あなたがもしカロリーを取りすぎたとすると血の中の糖分が増加し血糖値は高くなりすぎてしまう。そうなってしまわないように、あなたの身体は血の中の糖分を脂肪に変えて身体のどこかに蓄積する。そして血そのもののは一定の血糖値以上にならないようにコントロールされる。
だから食べ過ぎると太る。

逆にあなたがもしカロリーを消費しすぎたとすると、血の中の糖分が減少して血糖値が下がりすぎてしまう。そうなってしまわないように、あなたの身体は脂肪を燃やして血液中に糖分を送り、血糖値が下がり過ぎないよう自動的にコントロールする。
だから運動しすぎると痩せる。

つまり量の多少にかかわらず、今のあなたの身体にとって適正なカロリー摂取量であれば脂肪の蓄積や燃焼は起こらず、太ったり痩せたりすることは無い。
これを覚えておいて欲しい。

 

2.人の身体には意思がある

ここで僕が一番言いたいのはこの「人の身体には意思がある」ということだ。

お酒を飲んだ翌日に水分が欲しくなるとこは良く有るだろう。これはアルコールの利尿作用によって体内の水分が不足したためだ。つまりあなたの身体があなたに「水分が不足しているので補給しなさい」と言っている。
妊娠した女性が酸っぱいものが欲しくなるというのは何故か。これは体内のクエン酸が不足するために身体が「クエン酸を補給しなさい」と女性に言っている。
同じく、妊娠した女性が「おなかがへってしかたない」ということがある。これは母体が胎児に栄養分を採られるため、身体が「栄養を補給しなさい」と言っているのだ。

さて1.で書いた日々の食事のことに当てはめるとどうだろう。
「おなかがへったなぁ」と思うというのは、つまりあなたの身体があなたに「血糖値が低下しているのでカロリーを補給しなさい。そうしないと脂肪を燃焼して血糖値をこれ以上下がらないようにしますよ」とあなたに言っているに他ならない。

「おなかがいっぱいで苦しい」と感じるというのは胃が悲鳴を上げているだけではない。あなたの身体が「これ以上食べると糖分を脂肪にして蓄積しますよ」とあなたに言ってるのに他ならないのだ。
 

3.運動をしたらどうなる

あなたがダイエットの為に運動を始めたとしよう。
運動をするとカロリーを消費する。そうすると血糖値が下がる。そうするとあなたの身体は「カロリーを補給しなさい=おなかがすいた」とあなたに言う。この身体の要求に従ってカロリーを補給していてはせっかく脂肪を燃焼しようとしているのに、ダイエットにはならないのは言うまでもない。運動をした分は当然余計におなかが減るわけで、運動する以前ときっちり同じ量だけを食べていかないとダイエットにならない。
つまり運動すれば痩せると思うのは間違いで、運動しておなかがへり、それを
我慢したときに初めて痩せるのだ

ただし、運動をして筋肉がついたらこれは意味が少し違う。
筋肉が動くためにその周りの脂肪が邪魔になってくると、身体は「脂肪がじゃまだから減らしますよ」というからだ。
しかし、運動をやめて筋肉が落ちてしまうと脂肪もそこにいていいことになる。
結果リバウンドがくること間違いなし。
 

4.なんで今の体重なのか

あなたの今の体重が安定しているのならば、それはあなたの身体が「今の体重が一番いい」と言っているわけだ。身体は今の状態を保とうとする。今より痩せたほうがいいとか太ったほうがいいとは決していわない。
もしもあなたが痩せようと思うのなら、あなたはあなたの身体の言うことを聞いてはいけない。言うことを聞いていては今の体重が保持されてしまう。
 

5.身体の言うことを聞いたフリをする

ここまでお話してきたらもう想像ができるかもしれない。
結局は「おなかがへらないと痩せない」のだ。仮に食べる量(カロリーの摂取量)を減らしたとしても運動をしても、おなかがへったときに身体のいうことを聞いてカロリーを摂取してしまうと痩せることはない。
しかし仮におなかがへったとしても我慢するのはつらい。
そんなときは身体に「おなかがへっていない」と思ってもらうことが一番。
つまり身体の言うことを聞いたフリをすればいい。

 

6.身体を騙すのが痩せるためのコツ
基本的におなかがへらないことには痩せることはできないのだから、痩せるために食べ物の量を減らすことは必須なのだが、一番効果的なのはおなかが減ったときにカロリーを摂取したものだと身体に思ってもらうこと。
おなかがへったタイミングというのは「これから脂肪を燃焼しますよ」というタイミングだ。このチャンスを逃す手は無い。だからこそそのときにカロリーの無いものを食べる。
あなたの身体(胃)はそれに騙されて「おなかがへった」と言うのをやめる。
ところが実際には血液中の血糖値は上がらないので脂肪は燃焼され続けることになる。
理想はコンニャクじゃなくてお茶かブラックコーヒー。はらがへったときにこそそういうものを飲むのが痩せるコツだ。
もし健康のために運動をするのなら、おなかがへったタイミングにお茶でも飲みながら運動するのが一番痩せるのに効果的だ。食べた後に運動すると血糖値を下げることにはなったとしてもよほど運動しない限り脂肪を燃焼させるところまでいかない。
 
7.身体の順応性
仮に毎日のご飯の量を一膳減らして、おなかがへったときにお茶を飲み、うまくあなたの体重が5kg下がったとしよう。
一膳ご飯を減らしたことにより体重が順調に減ったのだから、今後も痩せ続けるとあなたは思うかもしれない。
ところがそれはいつまでも続かない。そのうちに体重が下がらなくなってしまう。
身体はいつまでも騙され続けないのだ。
カロリーの少ない生活にあなたの身体は順応してしまい「このカロリーの量で生活できるようにしよう。と思ってしまう。少ない量を食べていても血糖値は上がってしまい、結局おなかがへらなくなる。
つまり逆に言うとあなた自身も知らず知らずのうちに少ない量の食事が普通になってくる
おなかがへらなければ毎日のご飯を一膳減らした生活を続けてももう痩せることも無いが、この方法だとその生活を続けるかぎりリバウンドがくることはない。

もし5kg痩せたことに満足して、ご飯の量を元に戻したとする。
元の量のご飯を食べるということは、順応した今のあなたの身体が「ちょうどいい量だ」と思っているより多くの量を食べることになるので、昔と同じ量でも充分満腹感があるはずだ。「おなかがいっぱいだ」と身体が思うということは血糖値がさらに上がってきて、即座に血液中の糖分は脂肪となり身体に蓄積されてくる。
食事の絶対量にかかわらず満腹感を感じると太るのだ。

また、もしもあなたがコンニャクのようなカロリーの無い特別なものばかりを食べて痩せた場合も同じで、そのコンニャクの食事をやめたとたんにカロリーオーバーになってリバウンドとなってしまう。
だからその場合はコンニャクを食べ続けなければ体重を維持することはできない。
結局水分などでおなかがへったのをごまかして体重を減らすのが一番いい方法だ。

体重が変わらなくなったということは、安定状態になったということ。あなたもあなたの身体も普段の状態であるということだ。
もしもさらに痩せようとおもうのであれば、さらにおなかがへる状態を作る必要がある。
 
8.僕の場合
僕はダイエットのために特別につらい事をしたわけではない。
もともとは、朝はパン食、昼と夜は普通に白飯を食べる比較的規則正しい生活を日々おくっていた。僕はマヨラーだしケーキ・チョコレート・ラーメンも大好きだ。
このなかで僕が減量の為にやったことは白飯の量を減らすこととおなかいっぱいまで食べないことだけみたいなものである。

むかし一日2回一膳半食べていた白飯を半膳にした。
おかずについては家では出されたものは全て食べた。外食の際もご飯以外は全て食べた。ご飯の量を減らすともうちょっと食べたいという気がするのだが、そこは腹八分でとめておいた。
それでまず6kg減。
そんな生活を続けていたが、あるときそこから体重が変わらなくなった。考えてみるとおなかが減る機会が少なくなっていた。

そこで半年前に更なるダイエットを決意。
それから昼と夜の白飯は食べないようにして。ラーメンのスープは全部飲み干さないようにしている。ケーキはたまには食べている。
それで約7kg減。
普段仕事中は間食はしないので、おなかが減ったらブラックコーヒーかお茶を飲む。これだけは今も続けている。
 
9.ポイント
  • 身体の要求のまま普通に食べていては絶対に痩せない。絶対満腹になるまで食べるな。
  • おなかがへったら「やった!今まさに脂肪が減っている!」と思え。空腹こそチャンス!
  • 満腹になったら「最低!今まさに脂肪が付いている!」と思え。
  • おなかがへったときにこそカロリーの無いものを飲んで空腹をまぎらわせろ。
  • ずっと続かない運動や食事療法をしたところで必ずリバウンドが来るので意味が無い。
    これがポイントだ。

    あと経験からだがついでに
  • 食事は最初から少なめに注文する(少なめに作る)
  • 外食時はご飯に手をつけるな。残すことが美徳だと思え。もったいないと思うと痩せられない。
  • 朝晩かならず体重計にのれ。
    この3つを気合の入れ方ということで追加しておきたい